森林を守り育て、将来の世代にわたって人間が豊かな緑と水に恵まれた生活を維持するためには、国民の一人ひとりが森林を自分のものとして考え、それぞれの立場、可能な方法で森林づくりに参加する「国民参加の森林づくり運動」を推進することが重要です。
「緑と水の森林基金」は、より豊かな森林づくりを広く国民運動として推進するため、1988年(昭和63年)3月に国土緑化推進機構に設置され、2011(平成23)年7月に「緑と水の森林ファンド」に名称を変更しました。
一般市民・企業・団体などからの自発的な募金により、基金を造成し、その運用益等を活用して、国民参加の森林づくりを推進するための普及啓発活動や森林と水の関わりなど、国民の森林に対する理解と協力を得るための事業を実施しています。
基金造成額は、約175億円となっています。(平成28年6月30日現在)
緑と水の森林ファンドでは、より豊かな森林づくりのためにその目的により①普及啓発、②調査研究、③活動基盤整備、④国際交流の4分野に分けて事業を行っています。
①普及啓発事業
国民参加の森林づくり運動の推進・木材の需要拡大・山村の振興等を図るためのキャンペーン・シンポジューム等の各種イベントの開催、広報誌・普及啓発資材の制作・配付及び調査研究情報の提供・表彰等の事業。
②調査研究事業
森林の公益的機能の増進、森林の利活用、木材の利用及び森林と水等に関する調査研究などの事業。
③活動基盤の整備事業
森林づくり活動を通した農山村と都市住民等との交流促進、森林整備の担い手の育成、次世代を担う青少年・森林ボランティア団体等への活動支援などの事業。
④国際交流事業
海外研修、海外の緑化に係る情報収集、国内で開催される国際会議への支援などの事業
ご寄付については、国土緑化推進機構基金管理部までお申し出頂ければ、振込料無料の専用郵便振替用紙をお送りいたします。
なお、国土緑化推進機構は内閣府より税法上の「公益社団法人」に認定されており、ご協力いただいた寄附金は、個人の場合「所得控除」または「税額控除」、法人の場合「損金算入」が優遇されます。
緑と水の森林ファンドでは、より豊かな森林づくりのために非営利の団体等を対象に毎年2~3月に公募事業の募集を行っております。
- 森林の大切さの理解を深めるための普及啓発事業
- 森林の公益的機能の発揮に必要な調査研究事業
- 市民の森林づくり活動を支援する活動基盤の整備事業
- 海外との情報交換、青少年の交流を行う国際交流事業
などの事業に対し助成を行っています。
緑と水の森林ファンドでは、各級の学校等を対象に次の事業を実施しています。
①学校環境緑化モデル事業
小・中学校等を対象に、学校敷地に係る区域で植樹・樹木剪定・花壇整備・ビオトープ造成等の学校環境緑化の推進と環境教育を(株)ローソン緑の募金を活用し進める事業
②森林環境教育促進事業
学校林のある小・中学校を対象として、植樹や間伐など学校林の整備を通じて森林環境教育の促進を目的とし進める事業
③森林・林業専攻高校生国際交流研修
林業を学ぶ高校の生徒を対象として、海外の現地高校生との交流を通じて国際的な知見の習得等を促進する事業(近年は、インドネシアとの交流事業を実施中)
④全日本学校関係緑化コンクール
小・中・高等学校を対象として、青少年の緑化教育の推進を図るため、毎年の全国植樹祭にて優秀校の表彰を行う事業
緑の少年団は、「緑と親しみ、緑を愛し、守り・育てる活動を通じて、自然を愛し、人を愛し、自らの社会を愛する心豊かな人間に育っていく」ことを基本的な目的としており、全国で約33万人の子供達が加盟しています。
「緑と水の森林ファンド」では、緑の少年団が行っている様々な活動に対し、次のような顕彰や支援を行っています。
① みどりの奨励賞
緑の少年団のこれまでの活動状況及び成果が特に優れている5団体を選定し、全国育樹祭の併催行事である活動発表大会において活動発表と表彰(奨励賞)を行っています。
また、緑の少年団のこれまでの活動を状況及び成果が優れており、今後の発展、充実が期待できる5団体を選定し、「緑の少年団全国大会」において表彰を行っています。
② 緑の少年団の育成功労賞
地域における緑の少年団の育成・発展に顕著な成果をあげ、他の模範となる団体(地域の育成会)および緑の少年団の育成に著しく貢献した個人を表彰しています。
③ 緑の少年団活動発表大会や緑の少年団全国大会への支援
各都道府県及び各緑化推進委員会等の協力により、毎年 開催される「緑の少年団の全国大会(交流集会)」や「全国育樹祭の併催行事である活動発表大会」の開催に対して支援しています。
④ 緑の少年団活動促進事業への支援
全国緑の少年団連盟が行っている 緑の少年団活動を一層推進するための学習活動等の充実や地域との連携強化等を図るための「緑の少年団活動促進事業」に対しても支援をしています。
全国で約3千の学校(小学校・中学校・高等学校)が、約2万ヘクタールの学校林を保有しています。
国土緑化推進機構では、昭和25年から学校林の推進を図っており、ほぼ5年ごとに学校林現況調査を行っております。
「緑と水の森林ファンド」では、これらの調査に基づき、これらの学校林や身近な森林を活用して、次世代を担う児童・生徒、教員、森林ボランティア団体等が一体となって、森林での体験活動や環境学習に取り組む「森林環境教育促進事業」や学校の敷地での緑化活動を行う「学校環境緑化モデル事業」を行っています。
また、全国の小学校・中学校・高等学校を対象に、学校林や青少年の緑化活動及び学校における緑化教育の一層の推進を図るため、「全日本学校関係緑化コンクール」を実施し、全国植樹祭において表彰を行っています。
緑と水の森林ファンドでは、ボランテイア団体やNPO団体等の活動を助成するための公募事業等を実施しております。
この公募事業を通じてボランテイア団体やNPO等の育成に寄与しています。
詳細は、公募事業実施要領を参照して下さい。
ファンドの運用は「緑と水の森林ファンド業務方法書」により定められており、その運用に当たっては国債、地方債、その他確実な有価証券の取得により行うこととしており、安全性の確保を図りつつ効率的な運用に努めています。
毎年2~3月に公募を行い、その後、各方面の有識者から構成される業務検討委員会、森林ファンド運営審議会、理事会を経て決定されます。